あなたにとって幸福とは?(幸福感の源泉は何か?)
あなたにとって幸福とは何ですか?
ときどきセッションやセミナーワークで使う質問です。
私にとって幸福とは、家族と一緒に旅行を楽しんでいるとき、クライアントさんから目標達成や困難を乗り越えたことの報告をいただいたとき、趣味に没頭しているとき、友人と居心地のいい居酒屋でお酒を飲みながら他愛もない話をしているとき。
皆さんそれぞれ幸福の感じ方があると思います。
調べてみると国連の関連団体が世界幸福度ランキングを取っているようで、日本は156か国中58位で年々少しずつ順位を落としており、アメリカやイギリス、フランスよりも順位が下とのことです。
トップ10のうち半数を北欧諸国が占めていることから、社会保障や教育がこのランキングの重要な要素となっていることが推測されます。
幸福の感じ方は各国でそれぞれ異なると思うので、ランキングだけで一概に言えませんが、若い世代のネットカフェ難民の増加や年金に対する不安など幸せを感じにくい世の中になってきているのでしょうか。
ある研究では、幸福感の半分は遺伝によって決まるとのデータが得られているようです。幸福と感じやすい人は不幸と感じることがあっても幸福感を取り戻しやすく、幸福だと感じにくい人は幸福感を感じてもまたそう思わなくなるのだそうです。
ポジティブ心理学における「幸福」の公式では次のように表します。
H = S + C + V (H:幸福感、S:定められた範囲、C:環境、V:意図した活動)
この公式でいう「定められた範囲」が遺伝要因で、残りの半分である「環境」は10%、「意図した活動」は40%の割合を占めるそうです。
「環境」とは、給料が上がったとか宝くじに当たったといったことで、「意図した活動」とは、留学のために勉強を始めることや地域のためにボランティア活動を行うといったことです。
「環境」の変化による幸福感はすぐに慣れてしまい効果が持続しない一方で、「意図した活動」の変化による幸福感は持続するそうです。これは、「意図した活動」を通じて変化が起こり、その状態になれることなくさらなる変化を求めて自発的に継続することで幸福感が持続するということです。
「意図した活動」を行うことによって自分の存在の意味や価値を感じることができ、それが次の活動の源泉となり幸福感につながるのだと思います。
組織において従業員が幸せを感じることでパフォーマンスが向上することは想像に難くありません。アメリカ・イリノイ大学名誉教授のエド・ディーナー博士らの研究によると、幸福感の高い人は、そうでない人と比べて、創造性が3倍、生産性は31%、売り上げは37%高いといった結果が報告されています。また、幸福度が高い人は、欠勤率や離職率が低いことも明らかとなっています。
従業員が自ら意図して活動が継続的に行われること、そしてその活動が意味あるものだと感じることができるときに従業員は幸福感を感じることができます。
ところが現実はなかなか従業員各々が自分の意志によって仕事の内容を選択決定できる場面はありません。多くは自分の意志とは関係なく仕事(課題)が与えられ、自分の仕事であるとは思えないことでもやらざるを得ない状況が多いと思います。
そんなときに管理者としてどうすべきか?これについて次回にお伝えいたします。
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