部下の主体性を高めるには?

近年1on1ミーティングという対話の方法が注目されています。あなたの会社でも上司と部下との面談で「1on1」が採り入れられているのではないでしょうか?

1on1ミーティングは、人材育成を目的として、国内ではヤフー株式会社が2012年から1on1ミーティングを開始して一定の効果を上げたことで注目され始めました。

これまで上司と部下との間での1対1のコミュニケーションといえば、目標管理制度(MBO)における、半年に1回の人事評価面談が主流でした。 そのほかで上司と部下が1対1で話す機会というと、上司からネガティブな指摘事項を伝える時など、あまり良い印象を持っていないかもしれません。それはこれまで上司と部下の関係性が「上司が一方的に指示・指摘する関係」で、上司が持つ過去の経験や知識をもとに、部下に対して一方的に指示を伝えていくマネジメントスタイルだったからです。

ところが急速かつ、不確実な市場の変化が起こっている「VUCA」(※)と言われる現在では、これまでの経験や知識が通用しないことが多く、正解がないために従来のマネジメントスタイルが通用しなくなってきました。 

1on1ミーティングでは、上司から部下へ一方的に話す場ではなく、双方向のコミュニケーションである「対話」を通じて部下から話を引き出す場となります。対話により部下が主体的に目標を設定し、目標達成に向けて行動を起こすことで部下の課題解決力が向上するとともに、結果的に事業の成長へとつながっていきます。

ここで、部下の目標達成に焦点を当てた対話をしたり、行動変容をうながしたりする際には、コーチングを取り入れることが効果的です。

コーチング研究所が2015年~2018年に行った調査によると、上司のコーチングスキルの向上は、いずれも部下の主体性を高めているという結果が得られております。なかでも上司の「聞く」スキルが、部下に最も大きく影響を与えていることがわかります。 

上司に話を聞いてもらえたと感じた部下は、上司に対する信頼感が増し、そこに信頼関係が構築されます。そして自分の意見が上司に伝わったと感じると責任感と行動意欲が高まり、自ずと目標達成に向けた行動をとるようになると考えられます。「聞く」という行為はベーシックなスキルですが、そこには部下が主体的に動くようになるパワフルな力があるのです。 

 あなたは「1on1」で、どのくらい部下の話を聞いていますか?

(※)Volatility(変動性・不安定さ) Uncertainty(不確実性・不確定さ) Complexity(複雑性) Ambiguity(曖昧性・不明確さ) の頭文字をとった言葉で、混沌とした現代社会を表しています。

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