生きがいを持って働くということ
学校生活でよく使っていたチョーク。小学校の頃、私もかけらを持って帰って道路によく落書きをしてました。
そのチョークを作っている会社が神奈川県川崎市にあります。
国内シェア30%を占めるトップメーカー日本理化学工業です。
この会社は障がい者雇用を積極的にされており、実に7割以上の従業員が知的障がい者で構成されております。重度の知的障がい者もいらっしゃいます。
私は7年ほど前に川崎にある工場に見学に行きました。
きっかけは「日本でいちばん大切にしたい会社」という書籍で採り上げられていて、非常に障がい者の方が活き活きと働いているということが書かれていて、それだけ多くの知的障がい者の方が働かれていてどのようにして安定的にものづくりをしているのだろうということと、活き活きと働ける職場にどのような工夫があるのだろうということを知りたかったから、そしてこれが一番の目的ですが、障がい者雇用を始めた現会長の大山泰広さんに直にその当時の思いをお話を聞きたいと思ったからです。
今から60年近く前の昭和35年に近くの養護施設から2人の知的障がい者を社会勉強のために工場で一時的に雇ったことがきっかけでした。
彼らはそこで働くことが嬉しくて雨の日も風の日も一日も休むことなく、休憩時間も一心不乱に作業をしていたそうです。それを見ていた社員の方が全員で社長(今の会長)に社員として雇用することを嘆願したそうです。
その2人はつい最近まで工場で元気に働いていたそうです。
知的障がい者の方は文字が読めません。作業してもらうためには様々な工夫が必要になります。きっと社員の方も並々ならぬ苦労があったかと思います。
工場見学させていただいて気付いたのは、文字の読めない方でも作業できるように色や寸法で道具を分けていたり、時間を計るのに砂時計を使うなど作業の治具が工夫されていたことです。そして働いている方が本当に知的障がい者かと思うほど実にきびきびとムダな動きなく作業を行っていたことです。
休憩場所である食堂には、「あいさつができました賞」など作業者の方が取った様々な賞やメッセージが貼られていました。
そこには職場の暖かさが溢れていました。
会長は最初に障がい者を雇用するときにものすごく悩んだそうです。そして禅寺のお坊さんに相談したそうです。そしてこう言われたそうです。
「人間の究極の幸せは4つある。まず愛されること、次に褒められること、そして人の役に立つこと、そして人に必要とされること。福祉施設で大事に面倒をみてもらうことが幸せではなく、働いて役に立つ会社こそが人間を幸せにする。」と。
工場で働いている障がい者の方は4つの幸せを肌で感じて生きがいを持って働いているのでしょう。
あなたは、社員に生きがいを持って働いていただくためにどんなことを心がけていますか?
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