テレワークとエンゲージメント
世の中が新型コロナウイルスによってライフスタイルの変換を余儀なくされております。あなたの会社でもテレワークを新たに導入したり、適用範囲を拡大したりワークスタイルが大きく変わってきているのではないでしょうか?
会議のオンライン化によって移動時間の削減や会議時間が短くなったり、チャットなどのオンラインツールによるライン間、メンバー間のコミュニケーションの効率化など生産性向上につながる効果も実感しているのではないでしょうか?
とは言え、Face To Faceでコミュニケーションが取りにくくなってきている現在の状況で気になるのは、コミュニケーションの低下から引き起こされる従業員のエンゲージメントの低下です。
これについて調査したデータがあるので紹介します。
パーソルプロセステクノロジーとエンゲージメントサーベイ(wevox)を提供するアトラエが共同で調査した結果によると、テレワークの長期的な継続は、チームワークや組織への共感度合いが悪化する場合があることや、テレワークと異動が重なった場合、エンゲージメントが悪化する場合があるようです。
この結果は別の調査結果でも示されております。
以下はリクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所が行ったアンケート調査で、テレワーク環境における心理的変化、生活の変化、生産性の変化についての集計結果です。この結果から、心理的には寂しさや疎外感を感じる気持ちや、仕事のプロセスや成果が適正に評価されないのではないかという不安感が高まる傾向が見られました。
一方生活面では、家事や家族とのコミュニケーションの時間が増えたり、生活や家族との関係性の質や自身の身体的、精神的健康度が高まったりする傾向が見られます。
生産性の面では、人から話しかけられることによる仕事の中断頻度や仕事に関するストレスが減少する傾向が見られます。
生産性やワークライフバランスの面で改善の傾向が見られる反面、仕事においてコミュニケーション機会の減少による疎外感、不安感が見られており、この要因としては、下記データが示すように、感謝の言葉をかけたり、かけられたりする機会や、雑談やアイデアを共有する機会、同僚と仕事の進捗や励ましの機会が減っていることなのではと考えます。
テレワークの状況下でいかにこれらに関するコミュニケーションの機会を創り出すかがキーポイントになると思われます。
マズローの欲求段階説でいうところの社会欲求(親和欲求)が満たされることにより、会社への貢献意欲(エンゲージメント)や自己実現への意欲が高まってくるのではないかと考えます。
部下としては、短期間のテレワークであれば、うるさい上司と離れることができ、一時的に生産性が上がるかもしれませんが、やがて自分は必要とされているのだろうかというような孤独感に襲われ、生産性低下の方向に向かっていきます。
あなたがマネジャーの場合、定期的なミーティングを通じて声がけを行い、しっかりと状況を聴いてあげることが部下のワークエンゲージメントを維持・向上させ、生産性向上につながっていくのです。
あなたは今日どんな言葉で離れている部下に声をかけますか?
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